「採用力」をつけましょう。
事業の経営計画同様に、採用戦略により企業の将来は大きく左右されます。
今こそ採用で経営をリードしていくビジョンと戦略を持った「採用力」をつけましょう。
会社の3年後、5年後、10年後の未来を見据えたとき、何の経営計画も持たずに事業を進めていきますか? 将来的な事業の発展と会社の成長のためには、中長期的な戦略、長期ビジョンが必要不可欠です。そんなことは、言われなくてもわかっているでしょう。では、採用はどうでしょう。「新規事業の見込みが出てきたから新卒を採用しよう」「複数人の退職者が出たから中途採用で補充しよう」などと、場当たり的な人員計画をしていませんか? 会社は「人」でできています。採用は「会社づくり」です。経営戦略とは切っても切り離せません。会社が勝負をかけるとき、勝負できる戦力は揃っていますか? 伸びている会社は、必ず採用に成功しています。
戦略的に採用を考えましょう。採用にもビジョンが必要です。
今や採用活動に欠かせない就職サイトや求人メディア。より多くの母数の中から自社に合った人を見つけたいなら、リーチ力のある媒体に掲載することは、もはや必須です。就職活動する側も、媒体を全く利用しない人はほぼいません。ただ、「大手メディアに掲載しておけば安心」というわけではありません。当たり前のように他社も利用しているからです。一般認知度の高い有名企業、福利厚生がしっかりしている大手企業、中小ながら人気職種を募集する会社…等、ライバルがひしめき合っています。そんな中でキラリと光るためには、メディア任せの受け身ではいけません。思ったより応募数が少なかったとき、欲しい人材が採れなかったとき、採用サイトのせいにしていませんか?
採用はプロモーションです。「誰に」「何を使って」「どんな情報」を発信するのか。コミュニケーションデザインが必要です。
「魅力的な仕事なら良い人はきっと来る」なんて甘いこと言っていたら、いつまでたっても満足のいく採用なんてできません。その魅力を、伝えるべき相手に届くように、しっかり表現しなければ。商品のパッケージ、サービス内容を伝えるパンフレットにはこだわるのに、会社案内は昔ながらのカチコチのまま、なんてこともよくあります。お目当ての人を振り向かせるために、第一印象が魅力的であることは当たり前の必要条件です。就職サイトの原稿、手に取るパンフレット、会社説明会の雰囲気、 人事担当者、社長、社員の態度や話す言葉、すべてが表現ツールです。
採用にこそ、クリエイティブの力が必要です。国のトップのスピーチ原稿も、PRチームが練りに練っている時代です。どんな風に自社を表現し、どうアピールしていくのか。
徹底した戦略的クリエイティブで、採用を有利に進めましょう。
できるだけたくさんの候補者の中から選びたい。候補となる人材の志望度を上げたい。そう思って力を入れた採用サイトやパンフレット。会社説明会の仕立ても力を入れた。それなのに、本命からどんどん辞退していく…なぜか。
立派な看板を立てたことで満足していませんか? 看板に引かれて来た人も、結局見るのは「人」です。採用担当者の、面接官の、社長の言動は、看板にふさわしいものでしたか? 「この人たちと一緒に働きたい」と思わせることができていましたか? かっこいい広告や見映えのいいパンフレットでエントリーを集めても、それだけでは、スタイリストとヘアメイクをつけてお見合い写真を撮ったようなもの。本人に会ったらがっかり、なんてことになりかねません。そうならないように、「人」で引きつける力を身に付けましょう。もともと持っている良さを、きちんと表現できるように。事業の醍醐味を、しっかりとアピールできるように。
就職氷河期からは考えられないほど、今は「売り手」市場。少子化も相まって、優秀な人材確保にどの企業も必死です。最も恐れることは、費用と時間を費やして見つけた原石が、目前にして他社に奪われてしまうこと。そう、内定者辞退です。
そうならないために、内定者とのコミュニケーションには配慮が必要です。今の若い世代の人たちは「見てくれている」ことに敏感です。そして「正しく理解してくれているか」ということも気にします。決して通り一辺倒のコミュニケーションでは作れない関係です。「私たちはこうだから、これでいいだろう」では通用しません。時代が変われば人のコミュニケーションも変わる。でも、心の大事な部分は変わっていないはず。それを大切に共有するための手段が違う、だけのことです。
採用は会社の未来と一心同体。ビジョンを形にするための人材を、逃さないで。
「ありのままでいい」なんて、キレイな理想論です。もし、学生が「ありのままの自分を受け入れて下さい」と言って、事業内容を理解しようともせず、やる気も見せず、条件だけ並べ立てたらどう思いますか? 極端な例えですが、そういうことです。
これは相手にとっても同じこと。 「我が社はこうだから」と頑なに待っていては、ありのままを受け入れてくれる人は、永遠に現れないかもしれません。今よりもっと成長するために、優秀な人材がほしいのなら、自分(会社)も魅力をアップする必要があります。はじめはキラキラと光るめずらしい石だったのに、いつしかもっと美しい色の石がたくさん出てきて、誰も手に取ってくれなくなった。なんて悲しい話です。光っている部分はもっと強く輝くように、まだ曇っている部分は、少しでも光を放つように磨いていく。そんな努力は、組織力アップにも貢献するはずです。